アンデルセンの名作「雪の女王」。
カイとゲルダの二人を中心に凍てついた心と世界、優しさ、勇気などを思い起こさせてくれる読み応えのある童話です。
フィンランドのテキスタイルブランド、マリメッコのデザイナーサンヌ・アンヌッカの美しい北欧的なイラストによってさらに魅力を増しました。
布張りで、金色の箔を押した装丁は思わず手で撫でてしまいたくなる美しさ。
こどもの頃、大人の部屋の本棚にあった美しい本を思い出します。
アートピースとして、ディスプレイするのもいいですね。
贈り物としてもおすすめの1冊です。
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ハンス・クリスチャン・アンデルセン 1805年デンマ-ク・オーデンセ生まれ。
貧しい靴屋に生まれ、14歳でオペラ歌手を志しコベンハーゲンに行くも挫折。
政治家の助けによリ大学に入学し、哲学などを学んだ。
その後、小説『即興詩人』を発表し、『みにくいあひるの子』 『人魚姫』 『マッチ売りの少女』など 約160篇の童話を残した。
『雪の女王』は1844年の作品。
生涯独身のまま70歳で亡くなり、 その葬儀にはデンマークの王太子も参列した。
サンナ・アンヌッカ 1983年イギリス・ブライトン生まれ。
ブライトン大学で絵を学び、ブライトンを拠点にテキスタイルデザイナー、イラストレーターとして活動している。
フィンランドのファッションブランドMarimekkoのデザイナーとしても活躍。
幼少期から昔話やストーリーテリングに親しみ、夏に母方の故郷であるフィンランドの森や湖が豊かな美しい村で過ごしていたことが創作の源となっている。
世界の伝統や文化を作品に取り入れ、柄の中に物語を織り成すことを大切にしている。
本作は『モミの木』に続く2作目の書籍。
本作品(英国)についてのインタビュー(英語) http://penguindesign.tumblr.com/post/133066352656/thesnowqueen
小宮由(こみや・ゆう) 翻訳家・編集者。
1974年東京・ 国立市生まれ。
祖父はトルストイ文学の翻訳家・北御門二郎。 幼少期を熊本で過ごし、 大学卒業後、 児童書出版社に勤務。その後留学を経て、児童書の翻訳に携わる。
2004年より、 東京・阿佐ヶ谷で家庭文庫「このあの文庫」を主宰。翻訳作品は『モミの木』『台所のメアリー・ポピンズ』(以上アノ二マ・スタジオ)「テディ ・ ロビンソン」シリーズ、『庭にたねをまこう! 』(以上岩波書店)、『たまごってふしぎ』(講談社)など多数。